お子さんの言葉の遅れが気になったり指摘をされたことがありませんか
言葉の発達を伸ばすための関わりを実施したとしても、そもそも話すとはどういったことなのかを理解していないと、良い関わり方はできません
この記事では、ことばを話すとは体のどの部分が使われているのかを解説していきます
ことばの要素
音声言語(話しことば)
たとえば「リンゴ」のように、音となって口から発せられることばのことです
英語の Speechにあたるよ!
言語(考えることの内容)
英語のLanguageにあたるよ!
リンゴを見て「リンゴ」と言えるのは「これは赤くて甘ずっぱい果物で名前はリンゴだ」とわかっているからで、概念とか認知といわれる脳の中の過程です
「ことばが遅い」の多くは、話し言葉と考えることの内容の両方に問題があることが多い
コミュニケーション意欲
相手にこのことを伝えたい、と思う気持ちのことだよ!
頭で考える内容があり発音する力があっても、伝えたい気持ちがなければ、口から発せられる「ことば」にはなりません
考える力と、伝えたい気持ち・人に向かう気持ちがあってはじめて、口から出てくる「ことば」が生み出される
音声を出すことに関係する器官
肺
音声のもとは肺から吐き出される空気だよ!
文章を話すには5秒から10秒続けて息を吐き続けることが必要です
排気量の大きい車は走りに余裕があるのと同じように、肺活量が大きく、1回に出し入れする空気の量が多く、呼吸の数が少なくなるにつれて、話し方にも余裕が出てきます
小さい子どもはハアハアした息つぎの多い話し方ですが、次第に安定した話し方になります
子ども時代には元気に遊び、運動して、長く深い呼吸ができるような、からだをつくる必要がある
気管
肺から口にいたる管で、吸う息(吸気)、吐く息(呼気)の通り道です
声帯
声帯は、喉頭の途中にある靭帯のひだのことだよ!
ふだんは開いていますが、ことばを話すときだけ閉まって空気の流れをさえぎります
そのため、むりやりその場所を通り抜けようとする空気が声帯を振動させて、語音のもとになる音をつくり出します。
この音を「喉頭原音」(こうとうげんおん)といいます
セロファン紙を唇に当ててブルブルさせたような音だよ!
のどに手を当てて「アー」と声を出すと、ピリピリする声帯の振動を感じることができます
声帯の長さは、新生児で3mm、1歳児で5.5mm、5歳児で7.5mmと、年齢によって変化します(成人女性では15mm、成人男性では20mm)
声帯が短いと高い不安定な声しか出ません
からだが大きくなるにつれて首が太くなると、そこに納まる声帯のサイズも大きくなり、高い声から低い声までのいろいろな音域が使えるようになり、声のほうも安定してきます
ほほ成人に近い話し方になるのは、発音も含めて9歳ごろ
咽頭
咽頭は、喉頭を口と鼻につなぐ1本の管です
ことばを言うときや、食物を飲み込むときに、その形を変えます
軟口蓋と鼻咽腔閉鎖
私たちは、ふつうは鼻から息を吸い、鼻から息を出しています
声を出すときには、軟口蓋を上げて、鼻からではなく口から息が出るようにします
このはたらきを「鼻咽腔閉鎖」(びいんくうへいさ)といいます
唇と舌の構音
肺から出てきた空気を声帯で振動音を変え、鼻咽腔を閉鎖したら、次は実際に口で音をつくります
舌や唇の位置を変化させ、空気の流れ方を変えることによって、いろいろな音をつくり出すことを「構音」といいます
「発音」が「発せられた音」「結果としての音」という意味合いが強いのに対し、「構音」は首の製造過程をさしている、と理解してください
言葉の発達を促す関わり方について知りたい方は「言葉がなかなか出ない子への対応のコツ5選」を参考にしてください
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